<12人の優しい日本人>
もしも日本の裁判に陪審員制度があったら? と言う設定でのコメディー映画、ちなみにアメリカ映画「12人の怒れる男」を モチーフに三谷幸喜さんが 東京サンシャインボーイズの舞台公演用に書かれた作品を 櫻の園の中原俊氏が監督した作品、まだ人気が出る前のトヨエツにも注目。 日本人と言うのは雑談は好きだが、 何かを決める”議論”になると極端に弱くなる、 いかにも日本人!と言う12人が ひとつの部屋に集いある事件の審議を始めるのだが・・・。 登場する12人の特徴 陪審員 1号 (陪審員長) 「陪審員の経験を持つ女子校体育教師」 (塩見 三省) 陪審員 2号 「最後まで有罪を主張する精密機器製造会社社員」 (相島 一之) 陪審員 3号 「部屋から逃亡を企てる喫茶店店主」 (上田 耕一) 陪審員 4号 「あくまで無罪を主張する元信用金庫職員」 (二瓶 鮫一) 陪審員 5号 「メモ魔の商事会社庶務係」 (中村 まりこ) 陪審員 6号 「激しやすい医薬品会社セールスマン」 (大河内 浩) 陪審員 7号 「個人的な事情から有罪と決めつけるタイル職人」 (梶原 善) 陪審員 8号 「審議を半ば楽しんでいる主婦」 (山下 容莉枝) 陪審員 9号 「議論好きの歯科医」 (村松 克己) 陪審員10号 「口べたな自営クリーニング店のおかみさん」 (林 美智子) 陪審員11号 「自称弁護士、実は役者」 (豊川 悦司) 陪審員12号 「仕切り屋の大手スーパー課長補佐」 (加藤 義博) 場面は話し合いをするべく12人が1つの部屋に集まるところから始まる、 審議する事件とは「復縁を迫って会いに来た元夫と口論になった元妻が、 人気のないバイパス道路で走ってくるトラックに元夫を突き飛ばして殺した」 と言うニュースよりワイドショーが取り上げそうな事件で、 法廷で見た若くて美しい被告に同情ムードが漂う中、 「始めに採決を取りましょう」 ということで、有罪・無罪の決を採ったところ、12人全員が無罪! あっという間に審議終了、 ところが「なんかあっけなかったですね〜」と退室する陪審員たちに、 陪審2号が「本当にこれで良いのかな、理由が聞きたいな」と言い出した、 「全員無罪なんだから話し合うことも無いでしょう」 と言うことで帰ろうとする皆に陪審2号が 「じゃ、僕は有罪にします」 こう宣言したことから、ぶつぶつ良いながらも皆席につき話し始めたが・・・。 議論と言う言葉には無縁の日本人が議論をするとこうなってしまうと言うのを 巧妙に描いた作品、 12人のキャラクターが見事で「こういう人、いるよね」 という日本人の様々なパターンを揃えている。 会社の会議ならまだしも、 議論を経験したことのない人間が集まるとこうなるという、 絶妙な展開で、まるで「町内会」のような感じになるのがまた面白い。 ある事をきっかけに次第に議論は沸騰する、 |
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